2006年度運動方針(目次)

はじめに

T わたしたちをとりまく情勢

 1.内外情勢の特徴
(1)小泉政権の誕生と国民の痛み
(2)労働者の犠牲による景気回復
(3)「規制緩和」という労働法制の骨抜き
(4)アメリカに従属する日本外交
(5)泥沼にはまったイラク派兵

 2.都区政をめぐる情勢
(1)都政をめぐる情勢
(2)千代田区政をめぐる情勢

U おもな職場をめぐる状況

◆国家公務員の職場
◆地方公務員の職場
◆大企業の職場
◆金融の職場
◆マスコミの職場
◆中小企業の職場
◆医療の職場
◆JRの職場と安全問題

V たたかいの課題


(1)賃金引き上げのたたかい
(2)全国一律最低賃金制のたたかい

(3)消費税をなくすたたかい

(4)リストラ・合理化」に反対し、権利を確立するたたかい
(5)いのちと健康を守るたたかい
(6)憲法改悪阻止・平和と民主主義をまもるたたかい
(7)文化・スポーツのとりくみ
(8)争議組合・争議団の勝利をかちとるたたかい

W たたかいのすすめ方

X たたかいの目標

(1)生活と権利を守り「合理化」に反対するたたかい
(2)平和と民主主義を守るたたかい
(3)組織を強化するたたかい

Y たたかいのかまえ

(1)組織の拡大
(2)組織の強化
(3)ブロック体制の強化
(4)専門部体制の強化
 ★組織部★
 ★教宣部★
 ★政治共闘部★
 ★争議対策部★
 ★文化部★
(5)共闘と連帯



はじめに


 参議院本会議で郵政民営化法案が17票の大差で否決されました。郵政民営化関連法案は郵便、貯金、簡易保険の郵政事業をバラバラにし、郵便局ネットワークをズタズタにし、郵貯・簡保の340兆円の資金を日本とアメリカの金融、保険業界に提供するものです。国民にとっての郵便局は、確実な郵便配達や年金の受け取り、公共料金の振込み窓口として「歩いていける距離にある」身近な金融機関として国民生活になくてはならない役割を果たしています。民営化は地域から身近な郵便局をなくしてしまうものです。民営化はけっして国民が望んだものではなく、参議院での否決は国民の強い批判の結果をあらわしています。しかし、小泉首相は法案を廃案にすることなく、衆議院を解散し、総選挙に突入しました。
 「自民党をぶっこわす」といって誕生した小泉内閣は、この4年余のあいだに、破壊したのは自民党ではなく国民生活でした。不況を克服するために“痛みに耐えろ”といい、その耐えた先に社会保障の改悪から始まりサラリーマン増税、消費税の2桁アップなど、次々と国民収奪の政策を打ち出しています。自民党政治は医療、年金、介護など社会保障を連続に改悪し、雇用や賃金を破壊してきていますが、さらに、追い討ちをかけるよう消費税増税とサラリーマン増税を推し進めようとしています。財界・大企業の自民党政治から国民本位に切り替えていくことがいま切に求められていると思います。
 いま憲法改悪の策動は自民党をはじめ公明党、民主党そしてマスコミも含め「改憲」の合唱が進められています。戦後史のなかで最も重大な歴史的分岐点にあり、憲法擁護のたたかいは正念場をむかえています。これまでの改憲論に変えて8月には、自民党は「新憲法第1次草案」を発表しました。9条2項の「戦力を保持しない、交戦権を認めない」を削除し、自衛軍として「国際社会の平和及び安全の確保のため、国際協調して行われる活動に主体的かつ積極的に寄与するよう努めるものとする」として海外での自衛隊の活動を行うことを明記しました。また、3章の「国民の権利及び義務」の12条(自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任)が国民の義務に変えられ、「自由及び権利に責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う」が明記されました。第14回千代田平和集会での水島朝穂先生の講演にもありましたように「憲法とは、権力者を縛るもので国民を縛るものではない」のですが、自民党案は逆に、国家権力が国民に「秩序」を守る義務を負わせ、国民の権利と自由を縛るものとなっています。20条の「信教の自由」について「国家及び公共団体は社会的儀礼の範囲内にある場合を除き」を明記し、靖国神社参拝などその他の国などの宗教行動容認への道筋をつけています。司法についても「軍事に関する裁判を行うために法律の定める下級裁判所として軍事裁判所を設置する」とし、軍が独自に軍法会議をおこなうことができるようにし、軍事大国に突き進もとしています。改憲発議の要件についても各議院総議員の3分の2以上の賛成から「過半数の賛成」と大幅に緩和し、連続的に改憲していくことを考えています。新憲法の性格は国会で3分の2の多数の賛成を得るために民主党、公明党との協議する土台づくりとなっています。9条を変えることに国民の過半数をこえる人が反対しているもとで、9条を全面にだして国民投票を行うのではなく、全体を一括して賛否を問い、国民を改憲論に引きずりこもうとしています。衆議院憲法調査会の中山会長は「今年11月に自民党が憲法改正草案を出し、民主党は2006年までに出し、2007年には戦後初の憲法改正が実現する」と言い、まさに日本の進路を大きく左右するものです。昨年6月、著名人9氏による「九条の会」アピールが発表され、全国各地で「九条の会」がつくられ、いま3000をこえ、草の根の運動が大きく広がっています。私たちは、憲法改悪阻止めざして全力をあげたたかっていきたいと思います。
 私たちは、首都東京の中心に位置するローカルセンターとして、千代田に働く仲間のさまざまな要求実現めざして、制度的課題、憲法問題をはじめ平和と民主主義の課題、その他、労働者・国民全体の要求課題で運動を展開していきたいと思います。方針はこのような立場から提起されます。   

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 T わたしたちをとりまく情勢

 1.内外情勢の特徴

 (1)小泉政権の誕生と国民の痛み

 バブル経済の崩壊と橋本内閣の失政によって、泥沼の長期不況に突入した日本経済を立て直すために誕生したのが小泉内閣でした。しかしその手法は、失敗した6大改革を強引に遂行するというやり方でした。その結果、中小金融、地域に根ざした信組・信金など小口の庶民相手の金融機関を不良債権処理の名目でつぶしてきました。その狙いは国際競争力のある、2〜3行のメガバンクを作り出すことであり、税金を湯水のごとく投入して、強引に決算書から不良債権を落し、健全化をして銀行を統合再編しました。しかしそこに至る間には、銀行労働者のリストラ、信金・信組つぶしによる地域経済の破壊、中小・零細企業への貸し渋り、貸し剥がしなどによる倒産の増大、失業者の増大など、業者と労働者に大きな苦痛と多大な犠牲が押し付けられました。
 金融再編の最期の仕上げは、「構造改革の本丸」と言っている郵政民営化です。340兆円ともいわれる国民の資産を、アメリカと日本の金融資本が狙っています。まさに国民のふところに手を入れ虎の子の資産を取り上げるようなものです。なぜ郵政を民営化しなくてはいけないのか、現状のままでいけば2016年度に1、383億円の黒字になり、税金は一切投入されていません。民営化すれば600億円の赤字になります。民間銀行などは1997年から2003年まで4000店舗も減らしています。全国一律のサービスを維持するためには逆に税金を投入しなければいけなくなります。この矛盾を政府は説明できません。

 (2)労働者の犠牲による景気回復

 定率減税の廃止と給与所得控除の半減、配偶者控除、扶養者控除の廃止など、政府税調は中堅・低所得者に大きな負担を求め、大企業・大金持は含まれていません。このようにサラリーマンも業者も高齢者も含めた生活大破壊の大増税計画が目白押しです。「踊り場を脱出しつつある」と政府は景気判断を上向きに修正しました。大企業の経常利益が2期連続最高益を出しているからです。しかしその要因は、対米輸出の増大、中国や高度成長を続ける途上国での需要によるものであり、対外需要とJR西日本の事故に象徴されるように、人員を極限まで切り詰め、安全を無視した儲け本位の経営であります。最近の連続している日航機の故障・事故、原発の事故、MOX燃料を主体にする汚い原発の推進など、労働者の安全も、国民の安心も視野に入っていません。このような利益至上主義のリストラ効果によって引っ張られたものであるかぎり、自律回復の目安である、国内消費は低迷を続けすぐ腰倒れの景気回復に終ってしまいます。

 (3)「規制緩和」という労働法制の骨抜き

 財界による「規制緩和」要求はとどまるところをしりません。違法な、サービス残業という“ただ働き”を合法化するため、年収400万以上の労働者には、いくら残業をさせても残業代を払わなくてもよいとする。「ホワイトカラー・イグゼンプション」(ホワイトカラーの時間規制緩和)という、アメリカの制度をまねたものを導入しようとしています。成果主義賃金でサービス残業がまん延し、うつ病が多発しているなかで、それをますます助長するものです。最大の規制である「労働基準法」と労働三権については“労使委員会”で合意すれば、どんな改悪でもできる制度にしろという、大企業の労働組合が抵抗できないことを見透かしたものです。あわせて司法でも、同じような動きが出ています。1999年から2000年にかけて、「整理解雇の4要件」を否定する、一連の判決がでました。同じような判決が今年に入って続けて出されています。あらためて、不当な判決を許さないたたかいが求められています。

 (4)アメリカに従属する日本外交

 日本を戦争ができる国にするため、憲法改悪をする攻撃が続いています。国会内の勢力は改憲派が圧倒的多数ですが、国民の中では9条を守れという声は多数を占めています。憲法改悪の動きに対してアジア諸国から懸念の声が噴出しています。日本でも財界の一部から「財界がすべて改憲賛成ということではない。憲法9条を守り抜けば、日本が戦後初めてアメリカと距離をもつことのできる、世界史的な出来事だ」という発言もあり、財界の改憲の動きを批判しています。

 「つくる会」の歴史教科書が大田原市で採択されました。その結果、日本中で「つくる会」の教科書を“採択するな”という運動が強まっております。残念ながら杉並区では「つくる会」の教科書が強行採択されました。
 小泉首相の靖国神社参拝問題は、アジアだけではなく、アメリカ、ヨーロッパからも批判が上がっており、先の大戦を正当化する動きに世界の目が注がれています。日本の保守層からも外交問題をからめて批判の声があがっております。
 アメリカの裏庭といわれた中南米では、1970年代チリを中心に革新のうねりが起きましたが、アメリカによってつぶされた歴史があります。今回はベネズエラを中心に、中南米の各国で変革の運動が起きています。2003年から2004年の2年間で21項目に及ぶアメリカの外交的敗北がリストアップされています。アメリカの裏庭といわれてきた地域でさえ、単独行動主義をとるアメリカの思惑通りにいかなくなってきています。しかし、日本はアメリカへの追従一本やりです。日本の対米追従外交はASEAN各国から失望をかっており、東アジアでも共同体の動きが活発ですが、米国の顔色しか見ない日本の外交姿勢を反映してか、国連の常任理事国入りを支持する国がアジアにはありません。ドイツは近隣諸国が常任理事国入りを支持しています。日本が近隣諸国を大切にしない外交姿勢を続けるなら、世界からますます孤立の道を歩むことになるでしょう。小泉外交に打開策は見つかりません。

 (5)泥沼にはまったイラク派兵

 アメリカ軍はイラクに4年は駐留するといっておりますが、泥沼状況のなかで、与党共和党からも即時撤退を求める声が出始めています。イラク戦争は国連で承認されないまま開始された戦争です。当初アメリカに従いイラクに派兵した37か国の多くは撤退しています。正義と道理のない侵略戦争はけっして勝利することはできません。イラクに派兵をしている自衛隊の駐留期限が年末に迫っています。すでにイラク全土が前線であり派兵をしている理由そのものが成り立ちません。自衛隊撤退の運動を強化する必要があります。

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2.都区政をめぐる情勢

(1)都政をめぐる情勢

 石原都政が誕生して6年が経過しました。石原都政の目指す方向は、東京を財界やグローバル企業の本拠地、拠点にしていく政策の実践であり、まさに財界の意向に沿った新自由主義政策を都政に導入実践することです。したがって、石原知事は小泉構造改革路線の先取りを都政の中で様々な形で実行しています。
 都民の福祉予算を切り捨て東京再生の名のもとにグローバル企業のために公共的な資金を投入し、民間委託化の推進強化で市場を拡大して、より積極的に構造改革を推し進めてきました。このことにより東京は、財界やグローバル企業にとって利便性の高い都市となり、反面高齢者や社会的弱者にとって非常に住みにくい都市になってしまったといえます。
 2005年度東京都予算から見えるのは、不況リストラにあえぐ都民の暮らしの再建、福祉、医療、教育などの生活支援、都民の生活を守るといった視点はまったく見えてこない。また石原都知事は教育行政に直接介入し、知事の一存で都立大学を解体し大学を運営する教授会や職員の声は一切聞き入れずトップダウンで首都大学の創設を強行し、反対するものは大学から追放する等の強権行使を行いました。こうして創られた大学でグローバル企業に直接役立つ研究開発を重点的に行われようとしています。同様に、都立高校の統廃合や改編も一部エリート校には予算的に優遇し、教育の階層化をより積極的に行おうとしています。
 さらに中高一貫校に「つくる会」教科書を強行導入し校長の裁量権限を拡大し教育統制に力を入れています。こうした政策をスムースに運ぶために、日の丸、君が代の強制や処分が強行されました。
 東京都政が石原知事の独裁政治を許したのは、浜渦副知事の解任劇で見られたように、石原知事自身は知事本来の業務をそっちのけで都庁を留守にして衆議院時代からの腹心である浜渦副知事に権力を集中させ都庁支配を黙認して本人はマスコミ受けする場面にだけ登場するなど、知事にそぐわない行動を共産党除く自民、公明、民主党など都議会会派が黙認してきたからです。
 今、石原構造改革によって困難を抱える都民は多数です。この多数の人々を政治的に結集していくことが求められています。 

(2)千代田区政をめぐる情勢

 二期目の石川区長は、行政改革大綱を改定し一層の自治体の経営的視点を前面に押し出し、新たに指定管理者制度などを使い事業の外部委託化を強化実施しています。これは小泉内閣の構造改革路線や石原都政のメガポリス構想の区政版といえます。
民間で出来るものは民間に任せその事業を儲けの対象とし、民間企業が経営できるように補助金を出し、住民にもっとも身近な区政を儲けの対象としています。具体的には、学校.保育園の給食調理の民間委託化、職員数の削減、事業の見直し、使用料の見直し値上げ等利益者負担の強化、保育園.児童館の民営化、委託化、図書館の民営化等を進めようとしています。
千代田区のまちづくりでは、様々な規制を緩和し市街地再開発事業など大手ディべロッパーの開発を積極的に支援しています。丸の内や八重洲の再開発が実行されこれまで以上に容積緩和が行われ、そのことにより都心の一極集中をより強めることになっています。今ヒートアイランド現象などに見られるように東京都心の環境の悪化を抑制するには大胆な規制強化の実行が求められているにもかかわらず都市再生の名のもとに更に規制を緩和し区の予算を市街地再開発事業に厚くしています。
教育行政では、中高一貫教育でエリート教育に力を注いでいます。これは財界の要請を受け、民間企業に役立つ人材を育てることを目的にエリートには機会も予算も注ぎ込み、子供の人権を無視した教育を行おうとしています。
さらに、2005年度の予算では新たに観光事業を目玉にしています。これまでも町おこしを目的に町会主催のイベントに予算を配布し、それを受ける町会が予算執行に苦労して、早食い競争を実行したなどと言う笑い話がありましたが、「観光振興」や「祭りイベント」の開催が新たに専門部署を設置して計画されています。さらに、観光の目玉として皇居の周りに軽便鉄道の新設を検討するなど区民生活に身近な中小企業対策や福祉対策を軽視し観光事業を大幅に強化しています。
石川区政の特長は、職員の意見や議会のコンセンサスを無視しトップダウンで進めることです。千代田区で集い働く私達の役割は、引き続き区政に関心を持ち監視していくことが重要です。

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 U おもな職場をめぐる状況

国家公務員の職場
この間の公務員攻撃は全面的で、公務員制度改悪、給与構造見直しによる総人件費抑制、慢性的長時間残業による健康破壊と不払いなど、今世紀最大の改悪攻撃と言っても過言ではない。
(1)2001年12月に閣議決定された「公務員制度改革大綱」は、政府・与党と労働側の折衝において労働基本権での折り合いがつかなかったため、能力等級制度導入と天下り規制を柱とした国家公務員法の改正には至らず、事実上頓挫しました。これは、区労協をはじめとして、署名・宣伝などにもご協力もいただいた、私たちのねばり強い運動の成果とともに、ILO勧告を反映したものとして高く評価できるものです。しかし、政府は2004年12月に「新行政改革大綱」を閣議決定し「現行制度のもとでの改革」と称して2005年度中に評価制度の施行を行うこと、「市場化テスト」のモデル事業の実施、「5年間で10%の削減計画」、地方支分部局の統廃合などの推進を決めました。また、2月28日には、経済財政諮問会議の民間議員が「純減目標」を求める意見書を提出、6月21日に政府は、「骨太方針2005」をまとめて、公務員の総人件費削減の基本指針を策定し、定員の面からも実減を求め、さらに、民間で出来るものは民間へとして、公務=公共サービスの商品化、民間開放を強力に押し進めてきています。
(2)人事院は、こうした状況をうけて「地方給与・給与構造の見直し」に着手し、8月15日出された人事院勧告では、本俸で▲0.36%、一時金は0.05月の増となり、来年度からは、全俸給表を改正し平均▲5%の引き下げ、キャリア優遇の12級新設、昇給カーブのフラット化、調整手当廃止と地域手当の新設、査定昇給制度の導入、本府省手当の新設など地域間、世代間の格差を拡大させるものとなり、歴史上まれに見る大改悪の勧告となりました。今後、各議決定時、給与法の国会審議段階に向けて、実質マイナスとならないよう、運動していかなければなりません。
(3)公務部門における独自の課題としては、ここ数年一向に改善しない、慢性的長時間残業の問題があります。近年の定員削減からくる一人当たりの業務量の増加、予算面からの不払い残業の実態、省庁によっては独自計画を策定し徐々に減らしてきている職場もありますが、依然として健康診断で再検査、緊急措置が必要な者の発見など、放置できない状況になっています。霞国公を中心にアンケートを実施し、総務省交渉や国会議員への要請行動を引き続き行ってきておりますが、未だに見るべき成果となっていません。ノーペイ、ノーワーク運動と、健康を守り安心して働き続ける職場を目指して、働くルールの確立を官民一体の運動で実現させる必要があります。

地方公務員の職場
 千代田区政も「小泉構造改革」が進められる中、更なる公共業務の民営化等が進められるのと同時に、職員数の減・人件費減らしが行われている。
 人事院勧告が国家公務員の給料をカットし、公務員全体の賃金水準を引き下げる大改悪を行ったが、これは退職金や年金の削減に直接影響し、地方公務員へも大きな影響を与えるものである。
 千代田区政は、相変わらず、トップダウンで行政が行われ、区民や職員の声が通っていない。この背景には、役に立つ職員は1割のみという「人財集団論」という考え方がトップにあり、行政運営を行っているからといえる。
 業務の民営化等も今後、「行革大綱」に基づき、学校・保育園給食の民営化の完成、保育園、児童館・学童クラブ等民営化など、子どもに関わる施設、業務を営利企業に肩代わりさせようとしている。また、区長は、職員の労働条件に関わる重大事項について、労使交渉を前にマスコミを利用し、労働組合に提案する内容を事前発表し、「私の考えは何が何でも変えない」という姿勢をあらわにしている。
 一方では、ゼネコンの経済活動を支援するための「都市再生」政策を受け入れ、超高層ビル建設や大規模建設計画を容認し、その結果、千代田の街壊しが進んでいる。
 こうした区政運営の状況を受けて、職場が廃止され、職員の配置転換が行われている。職場は、人員不足と区民や職員の声を聞かないトップダウンのやり方に対する意欲の低下が起きている。余裕のない職場状況の中で職員のメンタルな病気が増加している。また、業務が増えても人が増えず、恒常的な超勤と予算の削減で不払い残業も生じている。
 区民や職員のためにならない千代田区の「構造改革」路線に反対し、区政の民主化が国や東京都と同様に求められている。

大企業の職場
 大企業の職場では、経済のグローバル化のもとで国際競争力に勝ち抜かなければならないとして、リストラ、賃下げ、成果主義など熾烈な労働者間競争をあおっています。トヨタではこの6年間で6、000人削減し、女性の事務職は正社員を廃止して、すべて派遣社員に切り替え、その数は1、000名になっています。生産ラインでも非正規の期間工、派遣労働者などで3割が非正規労働者です。リストラで人員を削減される一方で、仕事量は変わらず、労働者は過重な負担を強いられており、労災事故を頻発させるなど、職場の安全を脅しています。過重労働が労働者の心労を急速に高め、さらに長時間過密労働のもとでストレスが増え、精神障害や過労死・過労自殺を増加させるなど、いのちと健康を脅かしています。成果主義人事は個人業績の競争をあおり、労働者の心身の過重な負担となって、そのことが業務遂行のチームワークを乱し、目標設定の不合理さや査定の恣意的性・主観性が賃金・処遇への不信感を広げています。 熟練労働者が減らされ、品質の低下をもたらしていますが、造船・重機など製造の現場でも、これまで職場の人間関係を基に技術の伝承を形成してきましたが、過大なコストダウン、ノルマを短期的に達成することを目標にするため、技術力も低下し、サービス残業も蔓延しています。その結果、事故・災害が後を絶ちません。このことは今や企業基盤を揺るがす深刻な事態を招き、企業の将来不安と同時に労働者のくらしと雇用を危機に追い込んでいます。
 儲け主義のもとで、経営者トップの不祥事が相次いでいますが、その一方でたたかう労働者に対し人権侵害・差別を行い職場を荒廃させています。こうした中、石播の人権侵害・差別、クラボウの思想差別などで勝利をかちとりましたが、昭和シェル石油、明治乳業、東芝、新日鉄、スズキなどで賃金差別など不当差別や人権侵害を止めさせるたたかいが進められるとともに、多くの大企業の職場で民主化をざしたたかいが進められています。

金融の職場
 政府による金融再編のなかで、少数のメガバンクとして生き残りをかけて企業統廃合が進んでおり、それは同時に社員のリストラとさらなる成果主義の強化とがセットとなって進められています。明治安田生命では、営業職員が病気を告知しないで契約することをすすめ、契約者が死亡すると「告知義務違反」として会社が保険金を支払わなかった例があり、金融庁から3月、2週間の業務停止命令が出されました。業界4位の旧明治と5位の旧安田による合併を機に、上位への進出を目指し営業攻勢を強めた結果です。営業職員による違法行為の背景には「短期的なノルマ主義があった」と指摘されています。このように企業間の競争激化を受け、金融業界では成果主義人事は「数値目標」=ノルマ主義として強化される傾向が強く、このような不祥事の要因となっています。また、金融業界では女性の就労比率が高いと同時に男女差別を根強く残っている点も特徴です。総合職・一般職として労働条件に格差を設ける野村證券のコース別人事制度は、2002年に東京地裁判決で男女差別の実態が明らかにされ、高裁で勝利和解となりました。しかし、その後各社では勤務地限定制度など、「転勤の有無」による区分を設けて労働条件に格差を設ける形で、転勤を選べない女性には低賃金を強いる構造は変わっていません。同時に、コスト削減の観点のみから派遣社員への代替が進められ、職場の不安定化、派遣社員への低条件の押し付けを招いています。さらに、中高齢社員への一方的な低条件の押し付けも顕著です。50代以降の社員に対しては、極端な賃金切り下げか、取引先を含む他社への出向・転籍=労働条件の切り下げを選択させる仕組みが作られています。これに対して、みちのく銀行では、最高裁差戻し審で中高年層の大幅賃金カットが断罪され、さらに第三銀行など多くの争議がたたくかわれ、差別の解消と職場の民主化の取り組みが続けられています。

マスコミの職場
 〈新聞〉
 新聞業界ではいままでと質が違った別会社化による「合理化」とリストラが進んでいます。今までの「合理化」は印刷職場の別会社化や、事業部門の外注化など新聞紙面に直接的には及ばない関係職場が対象になっています。以前までの「別会社化」の提案内容として、経営者は「収支の自立化を図り新聞社の経営基盤を安定させ、紙面の独立性を高める」と説明しています。そして全国紙が現地印刷を始めた時も、人件費削減を柱にコストの削減とリスクの分散を基とし、そして外部資本の導入も含めた別会社方式で現地印刷工場を設立してきました。しかし、近年はこうした「合理化」が一層強まり編集と経営職場だけを残し、営業職場、総務職場、印刷職場を3分割し、全て「別会社化」にするというものに変化してきています。そして賃金・労働条件もそれぞれ分割された3職場で新たな協定を結ばなくてはならなくなり、賃金・労働条件についても以前とは違った別会社の新賃金制度が導入され、賃金ダウンを招くおそれをでてきました。ある新聞社の提案では、印刷職場で引き続き働くことを希望する社員は一度会社を退職し別会社へ転籍するような内容です。そして、賃金も400万円〜200万円も減額され事実上のリストラ解雇です。しかも経営者は「提案は撤回しない。提案がダメなら総退陣する」と強気な発言をしています。このように新聞経営者が別会社「合理化」を強行してくる背景には80年〜90年代にかけての過当競争の激化と世帯数の減、新聞離れ、広告収入の減と新たなメディアの普及により、どう増収増益を確保するか新聞社としてのあり方、質が一般企業と変わらなくなってきたことにあります。
 いままでの新聞社は編集、製作、印刷まで出版物等の業務は社員が責任を持って発行し、業務の外注化は考えられないと思われてきました。それは新聞の使命としてあらゆる権力から独立し、だれからの介入も許さないための言論機関として発行システムを持たなければならない発想がそこにあったからです。
 そして、職場内では転籍者、出向者、プロパー(企業が採用した正社員)と3分割され、それぞれ賃金格差が広がるなかで当然といったようなにお互いの足並が乱れ、労働三権を行使する組織つくりを困難にしています。

〈民放〉
 民放産業内に個人請負を偽装した契約労働者が急増しています。健康保険もなく、残業代もいっさい支払われず、低賃金で長時間労働となっています。放送局や関連企業ではデジタル化を理由とした経費削減、制作費カット、人件費抑制など労働基準法が守られていない事例が横行しています。また、デジタル化による過重労働で精神・神経疾患による長期休業者が増加し深刻な状態となっています。
 今春闘は全体としてはベアゼロ組合が多数を占め、ベアゼロ基調を克服し、賃金、生活水準向上の春闘を復活させるには至っていませんが、ベアを引き出した組合数は1昨年7、昨年12と比べると今年は19と確実に増加に転じ、財界の主張する「ベアゼロからベースダウン」の流れを民放産業に持ち込むことを許していません。成果主義の機能不全が広く知られることになり、民放では導入になお「意欲」を表明するところは後を絶ちませんが、組合の反対を押し切ってまで強行するところは見られません、今春闘の特徴のひとつです。このような中、日本テレビでは「扶養教育手当」という家族手当を成果主義に背く属人的なものとこれの全廃を提案してきました。日本テレビ労組は粘り強くたたかい、会社の目論見にある程度歯止めを掛け来春闘へつなげることが出来ました。
 
〈出版〉
 2005年はハリーポッターなど書籍で6点のミリオンセラーや、映像メディアに牽引された原作や関連書籍が売上を伸ばし、出版の総売り上が対前年比で0.7%上回り、8年ぶりの上昇をしめしました。また、返品率も36.7%とやや改善しました。総じて書籍の新刊点数は増大の一途をたどり04年に約7万5千点を数えています。多様な出版物の展開という観点から好ましいともいえますが、産業の特性である多品種・少部数・低価格を支えている編集の現場では製作、印刷など関係業界へ技術革新によるコスト削減を求め、またフリーランスや下請プロダクションへの単価切り下げも常態化しています。一方、小売の分野では低すぎる流通マージンや新刊を中心とする“売れ筋本?の大型店集中など不採算による中小書店の転廃業が続いていますが、「規制緩和」に伴う大規模店の出店により書籍の売場面積は増えています。また、規模の小さい取次ぎ経営も書店と同様の苦境を強いられています。
 05春闘の結果は出版の場合、平均賃金で前年マイナス91円、一時金は0.2割アップの22.9割にとどまりました。今年も昨年と同じく、ベアどころか定昇、一時金も凍結ないしカットや遅払を余儀なくされる単組、分会も見られ業種による企業間格差の拡大という二極化の傾向は明らかです。さらに出版経営のなかに徐々に導入されはじめたせ成果主義賃金や、派遣、嘱託など非典型雇用労働者の増大により二重、三重の賃金格差構造が職場に存在し、労働者としての団結に否定的要素をもたらしていることも見過ごせません。

中小企業の職場
 小泉内閣「骨太方針」は04年度の「不良債権問題終結」から、05年度は「小さくて効率的な政府」、「社会保障の給付削減」、「国民負担増の議論」(所得税・消費税増税)と「大企業法人税引き下げの検討」を示し、大企業優先、民への負担をさらに強いる方向を打ち出しています。04年の国民生活基礎調査では「生活が苦しい」の回答が55.8%で過去最高でした。大企業は史上最高の利益を上げる中、04年の企業の倒産件数は03年より減少し13679件と1991年の水準になりましたが、不況型が70%といわれ、13679件中、小企業の倒産が13392件を占めています。経営者の業績判断(04年末)も、中規模では「悪化」が「好転」を19.3%、小規模では「悪化」が「好転」を29.7%上回る苦しい状況です。同じ中小企業でも国内向けと輸出関連で差があり、03年の出荷動向(2000年を100とする)は国内向けが92.7、輸出向けが126.6と国内は弱い状況です。
 全国一般に結集する中小の職場では、消費不況による売上下に加え、IT化、グローバル化、規制緩和、価格破壊がさらに進み、経営が対応できない状況です。アパレルの職場では消費不況、安い輸入品との競合で商品が売れず、生き残る展望がありません。酒問屋では大店法の廃止、酒類免許の緩和で大型デイスカウント店が出店し、今までの得意先であった街の酒屋が次々閉店し、メーカー・問屋・小売という従来の流通が変化し、食品総合卸に組み込まれて酒以外も扱うことで生き残りをかけています。広告はIT関連以外のメデイアは売上が横ばい、減少しており、新聞広告代理店では売上を増やすためマージンを減らし逆に業績を悪化させています。粧品業界では、大手のように投資ができず、市場が海外に展開する動きに対し対応できません。医薬品業界では、グローバル化に伴う研究開発の規制の強化と経費の高騰に対応するため大手の再編が進んでいますが、中小は経費に耐えられず新薬は出せない状況で「後発品」(ジェネリック)に生き残りをかけています。中小・零細の業者では、消費不況による売上低迷の中で消費税強化が死活問題となっています。千代田総行動での税務署要請で明らかなように、課税限度の1000万への引き下げにより、価格に税分を上乗せし難く納税に係る事務処理の人手もない中小・零細の業者が課税対象となり、商売が赤字でも消費税は払わなければならない、商売を続けられないとの声が聞かれています。政府うりあげは消費税を2007年に8%、さらに「10%+α」、「12%」とする方向を打ち出しており、サラリーマン増税問題と併せて、中小・零細業者と共同して税金問題にとりくむ必要があります。

医療の職場
 医療の職場では、06年度の「医療保険制度」の改訂、介護報酬・診療報酬のマイナス改訂を見据えて、医療労働者の「給与・ボーナスの大幅削減」「医療リストラと合理化の徹底」「下請け・派遣の導入推進」など、賃金・労働条件の大幅削減と労働強化、大合理化が進められています。賃金・労働条件の削減の手法として、成果主義賃金の導入を強行するところが増えています。
 憲法の改悪に対する闘いでは、とりわけ9条の改悪は、「再び戦場の血で白衣を汚さない」ため積極的に闘いに取り組みました。
 昨年4月から国立病院、労災病院の独立行政法人化が実施され、都立病院の統廃合など公的医療機関の縮小・再編も急速に進んでいます。独立行政法人化はそこに働く労働者の権利を、一方的な不利益変更を強行しています。石原都政のもとでは急速に医療・福祉の切り捨てが進められ、都立病院でも統廃合が進んでいます。政府は、今後さらに医療・福祉分野での国庫負担削減にともない患者・国民の医療費負担を増大させることと、医療・社会保障負担の増大を理由に政府・財界は消費税の大増税をもくろんでいます。政府の総医療費抑制政策は、国民の命と健康を脅かし、患者さんの権利も踏みにじる大変な改悪を進めようとするものです。国や自治体の責任を明確にした改善を迫る闘いを、今後さらに進めていく必要があります。

JRの職場と安全問題
 本年4月25日、JR西日本福知山線で発生した列車脱線事故は、死者104人、負傷者500人こえるの大惨事となりました。現在、国土交通省航空、鉄道調査委員会などが今回の重大事故の原因究明にあたっていますが、運転ミスを口実に日勤教育などの命令と服従の職場専制支配、利益優先による超過密ダイヤや長時間労働による安全無視の経営のあり方そのものが鋭く問われています。国鉄の分割・民営化による93、000人の大量人減らしで、優秀な技術者が流出、分散し、全体的に技術力が低下しています。新規採用を控えために、技術の断層ができ、さらに団塊の世代の大量退職時期を迎えて職場では深刻な問題になっています。JR東日本では、各部門における外注化の拡大で、業務の大半を下請け会社に移管し丸投げされた下請け会社も人不足・技術不足でたいへんです。作業用機械の置き忘れによる列車衝突、駅構内の脱線、下請け社員の死亡災害が続出しました。車両検査も国鉄時代は、新人は見習期間を2年、検査業務で6年ほどの経験を積み、現場長が認めれば、検査係の試験を受けられる仕組みがありましたが、JR移行後は、見習期間が3ヶ月で終了する仕組みに変わり様変わりしました。JR東日本は2001年から4年間で17、000人を削減し、08年までに8、000人を削減する計画です。浮いた人員は、関連企業に投入してきました。同グループの小売業売上高は三越を抜いて7位、一兆円の大台に迫る勢いです。
 関連企業の拡大に伴って、出向社員が23、000人。鉄道事業部部門は47、600人で、全体の67%に過ぎなくなっています。JR移行時から24、000人も減っており、技術力の低下など安全に大きな影を落としています。国鉄闘争について、JR移行後の国労は、1、047人の不採用事件を最重要課題として位置づけて闘いを継続しています。
 昨年6月の第6次ILO勧告は「一度は大勢となった政治的・人道的見地の精神にたった話し合い」を全ての関係当事者間で推進し、「こじれた問題の解決には政府の責任が必要」とまで強調しています。ILOの批准国である日本政府は履行する責任があり、それを求めて闘いを進めていきます。さらに配属事件では、昨年会社側と国労の間で和解が成立し、本年2月1日付けをもって、約180人も及ぶベンディング事業所の国労組合員が、18年ぶりに駅・車掌区・運転区・信号区・車両センターなどの鉄道業務部門に戻ることができました。

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 V たたかいの課題

(1)賃金引き上げのたたかい

 賃金引き上げめざし、「賃金要求相互支持共同行動追及運動」の方針を掲げましたがとりくむことができませんでした。ビクトリーマップ宣伝では東京国公とともに霞ヶ関において共同のとりくみを行いました。春闘回答の状況については春闘情報で発表し、賃金交流について、「成果主義の実態」について交流会を持ちました。
 国家公務員賃金について人事院要請を東京国公、霞国公とともに行いました。
また、未組織労働者を激励する駅頭宣伝を行いました。
 今年度の方針としては、各ブロックにおいて「賃金要求相互支持共同行動追及運動」にとりくみ、押さえ込みの激しい企業には当該労組や産別とともに区労協全体でたたかいます。また、賃金引き上げのたたかいは最賃のたたかいと結合しとりくみます。賃金の交流として各ブロックでとりくみ、学習会等も全体としてとりくみます。

(2)全国一律最低賃金制のたたかい

7月26日中央最賃審議は地域最賃改定の目安を4年ぶりに厚労省大臣に答申しました。A、B、Cランクは3円、Dランクは2円の引き上げ、東京(現行710円)はAランクの3円でした。一方、東京と最賃審議会は中央より1円上回る1時間714円の答申(8月8日)を行いました。しかし答申の内容は「生活できる賃金」にほど遠いものです。国公労働者に賃下げの人勧が出されました、当然、これは地公労働者にも波及してくる問題ですし、それを口実に民間での賃下げ圧力になってゆきます。
千代田区労協は千代田総行動で中央労基署への要請、公務員賃金改善について人事院要請行動をおこないました。
人間が人間らしく生きることのできる、セーフティーネットとしての、生活の最低保障=ナショナル・ミニマムの下支えになる、全国一律最低賃金制度の法制化を求めて3つの共同と「最賃五原則」を守りながら取り組みを強化します。
@ 地域・単産組織や全国的なたたかいの共同を強めます。
A 自治体、業界団体への要請を強め、地域最賃引き上げ運動を強めます。
B 厚労省本省をはじめ、東京労基局、労基署をつうじて要請行動を強めます。
「最賃五原則」
T最低賃金は「生計費をもとに決定」すること。
U決定にあたっては「労使対等の原則」たった労使同数の代表の交渉によること。
V最低賃金は全国全産業一律を基本とすること。
Wこの決定に違反する者に対しては懲役を含む厳罰をもって対処すること。
X決定された全国一律最低賃金額は、国の最低生活保障の基軸にすえ、生活保護等の社会保障や農産物単価、下請けたんかの決定の際にも下支えの基準にすること。
             
(3)消費税をなくすたたかい

 自民・公明与党は、2007年度めどに「消費税を含む抜本的税制改革を実現する」ことを合意し、具体的実施に向けて大きく動いています。また、民主党も2007年度から年金目的税として、消費税を8%に引き上げることを主張しています。日本経団連は18%構想を打ち出しています。
 消費税導入以来の16年間で国民から徴収した消費税の総額は148兆円にのぼるが、同時期の法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)が145兆円の減収となり、消費税導入の口実に使われた高齢者対策や社会保障の財源どころか法人税の減収の穴埋めで消えてしまいました。
 この1年間は、「消費税をなくす千代田の会」を中心に昨年11月より毎月第1木曜日(18時〜19時)御茶の水駅頭でこの8月で7回の宣伝行動を行っています。のべ49名が参加、48筆の署名を集めました。継続して行ってきていることは貴重な成果だと思います。
今年度は社会保障財源のためや、税収不足のためやむなしという消費税増税の世論作りをする政府与党や民主党のごまかしを国民的に明らかにし、弱者、低所得者に高負担の消費税増税をストップさせるために、「消費税をなくす千代田の会」の体制を強化し、宣伝などのとりくみをすすめます。

(4)「リストラ・合理化」に反対し、権利を確立するたたかい

 国際競争力に勝つためとして、大企業は賃下げ・リストラをすすめ、とりわけ大型合併に伴う大量の「人減らし・合理化」を行い、労働者の権利・雇用と生活が脅かしています。また、国や自治体における独立行政法人や「市場化テスト」導入によるリストラも行われています。「リストラ・合理化」、権利侵害の最前線といえる争議を支援するたたかい、労働者の権利を守リ確立させるたたかいはいっそう重要です。「一人の首切りも許さない」という合言葉に争議解決のために力を尽くします。司法の反動化が強まっているもとで、東京地評がおこなっている司法総行動などにとりくみをすすめます。国公・地公の組合とともに公務員の労働基本権回復をめざします。
 厚労省からは4月13日、「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」の中間取りまとめが出されました。「在り方研究会」は03年の労基法改定の時に国会で労働契約の全般にわたるルールの設立を求める付帯決議にもとづき、04年4月発足したものです。カネで労働者を追い出す「解雇の金銭解決制度」、労働条件の一方的不利益変更による「雇用継続型・契約変更制度」や「労使委員会制度」、労働時間の規制がなくなる「ホワイトカラー・イグゼンプション」などが盛り込まれています。労働法制の大改悪に反対し、労働者の権利を守るたたかいを強めていきます。

(5)いのちと健康を守るたたかい

 じん肺闘争での日鉄鉱業第二次訴訟で最高裁は不受理を決定(2月22日)、通算22回の判決となりました。しかし、原告に謝罪もせず、和解にも応じないという異常な態度を取り続けています。
北海道石炭じん肺は、国が和解を拒否していた9名に対し、7月14日最高裁は不受理の決定を下しました。これにより提訴以来19年目にして被害者全員(370名)の救済を勝ち取り決着しました。
 じん肺被害者の救済とじん肺の根絶めざし、じん肺東京支援連絡会に引き続き参加しとりくみを進めます。
東京大気汚染公害裁判闘争では、「千代田懇談会」を開催し100万署名のとりくみ、自動車メーカーへの要請、公害総行動にとりくみました。東京大気裁判は第2次〜5次の審理が東京地裁で進められ、年内結審、来年判決という情勢を迎えています。「東京大気汚染公害裁判勝利実行委員会」とともにとりくみを進めるともに、「東京大気汚染公害裁判闘争千代田懇談会」を継続的に開催し、大気裁判闘争の交流やとりくみを強めていきます。東京大気裁判闘争のとりくみの中で空気の汚染度を調査する全都いっせい大気測定(6月)にとりくみ、14ヶ所からカプセルを回収・分析を行いました。年2回(6月、12月)の全都いっせ大気測定にとりくみ、カプセルの設置個所を増加させていきます。
 利潤第一主義とリストラで劣悪な職場の労働条件のもとで、健康破壊が進んでいます。また、アスベスト(石綿)の被害が大きく広がろうとし、社会的問題になってきていますが、いのちと健康を守るため健康な職場づくりなど職業病・公害の根絶めざし、交流や共同行動などとりくみを進めます。  

(6)憲法改悪阻止・平和と民主主義を守るたたかい

 この1年間、アメリカのファルージャへの無差別爆撃に、アメリカ大使館抗議と小泉首相に自衛隊即時撤廃の要請行動を皮切りに、第14回千代田平和集会は水島朝穂早大教授を迎え、550名の参加者を集め質量ともに現在の情勢に相応しい成功を収めることができました。「憲法とは権力者をしばるもの」という憲法とは何かという原点の講演に大きな感銘を与えました。核兵器廃絶のたたかいは、ヒロシマ、ナガサキから60年の節目の年として11月より宣伝・署名運動の69行動にとりくみ、8月までで8回行い、のべ151名が参加、署名90筆、カンパ1800円が寄せられました。一つの駅を2回ずつ行い、宣伝での原爆の写真パネルを展示や、ビラは核廃絶と憲法改悪反対、平和集会のことなどを工夫した宣伝を行ってきました。継続できた事は高く評価できると思います。「つくる会」教科書を採択させないたたかいは、子どもと教科書千代田ネット21、自由法曹団などとともに運動し、千代田教育委員会への要請(要請文の賛同団体62)、定例会議の傍聴にとりくみました。また国公法弾圧事件で4・26集会、裁判傍聴等にとりくみました。
これから1年間のたたかいは憲法改悪阻止するたたかいが大きな柱となります。
@「九条の会」の結成を全ての職場に呼びかけるとともに、職場の「九条の会」のとりくみの交流や共同行動などについて交流会を行っていきます。さらに憲法学習、集会、宣伝行動にとりくみます。
A第15回千代田平和集会へ向けて早めに準備を進め、前回を上回る大きな規模の平和集会にしていきます。
B憲法阻止や教育基本法改悪に反対するとりくみを強めるとともに、教科書門問題について学習会などを行います。
C今年度も69行動を継続してとりくみ、各団体と協力し運動を大きくしていきます。原水爆禁止世界大会に区労協の代表を派遣します。
D国公法弾圧・堀越事件の勝利めざし、「国公法弾圧を許さず、言論・表現の自由を守る会」(略称・国公法弾圧を許さない会)のとりくみや宣伝、裁判傍聴などにとりくみを行います。
E「平和と民主主義を推進する千代田の会」に区労協も参加しとりくみをすすめます。

(7)文化・スポーツのとりくみ

「千代田スキーパーティ」(1月、蔵王、55名)、「千代田写真展」を11月、5月の2回とりくみました。今年度も「千代田スキーパーティ」、「千代田写真展」を成功させるためとりくみを強めます。第20回すずらんまつりの成功めざしとりくみます。「千代田文化実行委員会」は結成15周年となりました。観劇、文化活動など連携を強めていきます。

(8)争議組合・争議団の勝利をかちとるたたかい

 2004年9月1日、雪印乳業食品(工場閉鎖・全員解雇争議)争議で1名を職場復帰させ、雪印乳業に責任を取らせる和解が成立、勝利をかちとりました。
 日本ケミファ丹生配転事件で東京地裁不当判決(04年10/28)、国民生活金融公庫賃金差別事件で東京高裁不当判決(04年11/17)、さいたま地裁で全面勝訴(04年12/22)した東京商科今井解雇事件は東京高裁で全面敗訴(7/13)と不当な命令・判決が相次いで出されました。また、昭和シェル石油の賃金差別で大阪地労委に続き中労委でも勝利命令(3/24)を勝ち取りましたが、同時に再審査していた兵庫地労委命令については覆すことが出来ず不当労働行為は認められませんでした。
 こうした中、日本ケミファ労組は労使正常化で合意(5/30)し、争議の全面解決の交渉が進められています。また、東和システム毛塚解雇争議でも都労委で和解協議が進められています。
 千代田争議団は賃金差別、倒産、解雇、職業病などの各争議団が結集し、たたかいの交流や共同行動、闘争財政(物品販売、カンパ)の確立等行っています。区労協は千代田争議団との協力共同のたたかいを東京争議団が掲げる「4つの基本」「3つの必要条件」を基本にたたかいを発展させます。
 「4つの基本」
@ 争議団の団結強化 A職場からのたたかいの強化 B共闘の強化 C法廷闘争の強化
「3つの必要条件」
 @要求を明確に A情勢分析を明確に B敵を明確に

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 W たたかいのすすめ方


 大幅賃上げ、最賃制確立、労働法制改悪反対、減税、時短、消費税増税反対、社会保障制度改善、人べらし「合理化」反対、労働基本権回復、憲法改悪・教育基本法改悪反対、平和・民主主義を守るたたかい、教科書問題など、全労働者、国民共通の要求実現のたたかいは、千代田区春闘共闘委員会を基軸にすすめます。
 千代田春闘共闘委員会の設置および組織運営はつぎのようにおこないます。
@ 千代田区春闘共闘委員会の設置
 各単産の地域組織、千代田区労連、千代田MIC、千代田争議団、各民主団体、区労協未加盟組合にも広く呼びかけ、千代田区春闘共闘委員会を設置します。
A 千代田区春闘共闘委員会の任務
 労働者・国民の要求実現をめざして、精力的な共同行動を、国会、政府各省、財界団体、独占企業本社、および自治体などに対して組織します。たたかいの山場には、区内の労働者と民主勢力が総決起する「千代田総行動」を配置してたたかいます。
B 千代田区春闘共闘委員会の組織運営
 加盟単組団体の代表者からなる単組代表者会議を意思決定機関とします。幹事体制は、区労協常任幹事と各参加団体の代表者によって構成します。
C ブロック春闘共闘の設置と役割
 春闘共闘全体の運動を、地域、職場のすみずみまで浸透させるために、区労協の4ブロックに春闘共闘を設置します。幹事体制及び機関運営は、春闘共闘に準じておこないます。ブロック春闘共闘の役割は、春闘をたたかう隣近所の労働組合がお互いにはげましあいながら、手をつなぎあえるように、交流やオルグ活動を、日常的・系統的に強め、春闘共闘全体として取り組み、統一オルグ、統一宣伝などの諸行動、および「千代田総行動」の主力部隊としての役割を担います。
D 各産別地域組織との連携
 地域での共同行動の発展にとって、地域の産業別組織と春闘共闘は車の両輪のようにかみ合わせてすすめることが必要です。各代表が春闘共闘の幹事の任務についてもらうほかに、お互いの意志疎通をよりいっそうはかるため、随時、懇談会などを開くよう努めます。
E 未組織労働者との連携
 国民春闘路線を発展させる立場から、未組織労働者や住民各層に対する働きかけを強め、駅頭宣伝、全戸配布、国民的要求をかかげた署名行動などに取り組みます。
F 区労協加盟組合や区内未組織労働者からの支援・共闘の申し入れおよび千代田区を主戦場にたたかう全国各地の争議組合、争議団からの支援要請については、常任幹事会の議をへて、当該労働者・労働組合・争議団の主体的力量が強化され発揮できるよう十分配慮して支援・共闘をすすめます。

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 X たたかいの目標

(1)生活と権利を守り「合理化」に反対するたたかい

(1)生活と権利を守り「合理化」に反対するたたかい
1.政府の大企業奉仕の政策を国民本位のものに転換させよう。
  自民・公明で労働者・国民犠牲の政策をすすめる自民党政治を打破しよう。
  国民いじめの構造改革をやめさせよう。
2.軍拡と国民収奪の臨調「行革」路線、地方「行革」路線に反対し、国民ののぞむ真の行財政改革をかちとろう。
3.郵政民営化反対、国民の共有財産を守ろう
4.銀行業界の公的資金導入をやめさせよう。
5.賃金抑制攻撃をはねかえして大幅賃上げをたたかいとろう。
6.マイナス勧告をやめさせ公務員賃金の改善をかちとろう。
7.成果主義に反対し、差別賃金制度を撤廃しよう。
8.地域最賃を時間給1000円以上、日額7400円以上、月額15万円以上に引き上げさせよう。
  全国一律最低賃金制を確立しよう。
9.公共料金の引き上げをはじめ物価値上げ阻止し、インフレ政策をやめさせよう
10.消費税増税反対・サラリーマン増税反対。
  大企業への減免税措置撤廃など不公平税制の是正と所得税・住民税の大幅減税をかちとろう。
11. 年金改悪に反対し、安心して老後の生活ができる年金制度を確立しよう。
12.医療保険制度改悪・混合診療解禁反対。安心してかかれる医療制度を作ろう。
13. 育児休暇と介護・看護休暇制度を確立・拡充しよう
14.JRの1047名の解雇撤回、不当労働行為をはねかえし、公共鉄道事業の復元をかちとり、利用者の安全を守ろう。
15.首きり「合理化」をはじめとしたリストラの名による労働者攻撃をやめさせよう。
  「解雇規制法」を成立させよう。
16.定員削減、単身赴任、不当配転など労働条件の改悪に反対しよう。
17.時間外労働規制、深夜残業廃止、サービス残業をなくさせる取り組みを強化し労働時間短縮をかちとろう。
18.週35時間労働制、完全週休 2日制、年間実労働時間1800時間以下を確立しよう。
  区内の全職場で国民祝日の完全有給化、
  メーデー有給休日、初年度14日以上の年次  有給休暇をかちとろう。
19.企業内および産業別の雇用保障協定をかちとり、雇用保障制度を確立しよう。
  すべての失業者に仕事と生活を保障させよう。
20.労働契約法など労働法制改悪反対。
21.労働者派遣制度を職場の欠員を補充する手段として活用させないため、すべての職場での欠員補充をかちとろう。
22.職場に現存する男女差別、労基法違反をなくすというとりくみ、撤廃された女子保護規定の問題など、
  男女が平等に健康で働きつづけられる制度をかちとろう。
23.中高年労働者の働く権利を守るため、定年延長、再雇用制度の確立など、雇用の機会を拡大しよう。
24.労働災害、じん肺などの職業病の絶滅、予防、補償の完全実施をかちとろう。
  療養途中の解雇を阻止し、職場復帰を促進させよう。
25.労働行政の反動化に反対して労働者保護に徹した民主的行政を要求し、労働基準監督官を増員させよう。
  労安法、労災法をはじめ関係法令、通達を改善させよう。
26.官公労働者のスト権、団交権の完全回復をかちとろう。不当処分をやめさせ、実損を回復させよう。
27.公務労働者の労働基本権をかちとろう。
28.すべての争議団の全面勝利をかちとろう。
29.中小企業労働者の労働条件を改善し、政府・独占の中小企業破壊政策をやめさせよう。
30.大量の低家賃住宅を建てさせよう。
31.市街地区域内農地への宅地並み課税に反対しよう。
32.主食・水産物・農畜産物など国民食料の自給・安全と安定供給を要求しよう。
33.地球環境問題やすべての公害根絶・恒久対策を実現させ、国民のいのちと健康を守りぬこう。
  京都議定書を発効させよう。
34.血友病HIVやヤコブ病などあとをたたない薬害の根絶のとりくみを強めよう。
  また、ダイオキシンをはじめとする環境ホルモン問題、大気汚染の問題などにとりくもう。
35.千代田区内に勤労福祉会館をつくらせよう。
36. 区・企業の防災対策を強化させよう。
37. 固定資産税評価の抜本見直しをかちとろう。区内の緑とひろばをひろげ、
  千代田区を住みよく働きやすいまちにするため、
  住民とともに考え、住民との共闘を強めよう。
38.政府・財界の思想攻撃をはねかえし、職場からたたかう労働組合の統一と団結をかちとろう。

(2)平和と民主主義を守るたたかい
1.日本は世界にほこれる平和憲法をもっている。
 この憲法の理念を世界のすべての人々の共有財産として全世界にひろめていくことこそ
 世界平和ひいては日本の安全を守ることにつながる。
 憲法改悪反対の運動を強化しよう。
 有事3法、テロ特措法、イラク特措法を実効ないものにするためたたかいを強化しよう。
2.安保条約廃棄のたたかいを強めよう。 基地撤去の運動を強化しよう。
3.軍事費や在日米軍の費用負担(思いやり予算)、を削減・中止させよう。日米地位協定の見直しをすすめよう。
 米軍用地の強制使用を半永久的にした「特措法」を廃止させよう。
4.アジア・太平洋各国の戦争被害者に対し、とくに元従軍慰安婦や強制労働労働者に対し、
 正当な国家補償をさせよう。
5.核戦争阻止、核兵器完全廃絶のたたかいを強めよう。
6.核艦船の日本寄港に反対し、いっさいの核持ち込みを阻止しよう。
7.千代田区の「非核・平和都市宣言」の精神を生かし、 積極的に平和事業を実現し 参加していこう。
8.自衛隊をイラクから撤退させよう。武器禁輸三原則を堅持しよう。憲法違反の自衛隊の増強に反対しよう。
9.すべての核兵器の実験、製造、貯蔵、使用の国際禁止協定をかちとり、被爆者援護法を即時制定させよう。
 原水禁運動の統一をかちとろう。
10.日本の危険な原発政策の見直しやエネルギー政策の再検討を求める運動に取り組う。
11.メディア規制法案に反対しよう。
  警察拘禁二法の立法化、刑法・少年法改悪、靖国神社などすべての反動立法に反対しよう。
12.小選挙区制・政党助成法を撤廃させる取り組みを強めよう。政党法導入のたくらみに対しては、
  断固反対してたたかおう。
13.公職選挙法では、戸別訪問の禁止、立会演説の廃止、文書図画の規制などきびしい規制があるが、
  国民主権の原則や表現の自由の立場から、選挙活動の自由をかちとろう。
14.司法反動に反対し、民主主義を守りぬこう。最高裁裁判官国民審査制度の改正をかちとろう。
15.教育基本法改悪に反対し、真の教育改革をかちとろう。
16.教科書の検定強化、教育・文化の反動化、軍国主義化に反対し、真実の報道、言論・出版・集会の自由を守ろう。
17.「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書を子どもたちにわたさないよう運動を強めよう。
18. 国旗・国歌の押し付けをやめさせ、良心の自由からの反対することに対する処分を撤回させる。
  憲法違反の「靖国公式参拝」をやめさせよう。
19. 再販制を堅持するため、 ひきつづき運動を強めよう。
20. 国公法による選挙弾圧をやめさせよう。憲法違反の国公法の条文を廃止させよう。
22. 憲法違反の破壊活動防止法を廃止させよう。
  また、プライバシー保護の点から問題の多い盗聴法や住民基本台帳法に反対しよう。
23. 公安条例・拡声機規制条例撤廃,労働運動・民主運動に対する権力の介入,弾圧反対、
  ビラまき・ビラはり・集会・デモ行進などの自由をかちとろう。
24.広範な都民や区民、 区内民主勢力の団結の力で革新都政および区政の実現をめざそう。

(3)組織を強化するたたかい
1.組合民主主義を確立し,民主的労働組合をつくりあげよう。
2.すべての未組織労働者のたたかいを援助し,労働組合に組織しよう。
3.区内のすべての労働組合を結集し、区労協を名実ともに全労働者を代表する組織として強化しよう。
4.産業別地域組織との連携をつよめ、産業別統一闘争の発展を地域から強化しよう。

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 Y たたかいのかまえ

(1)組織の拡大


 @組織の現状
この1年間における加盟組合は1組合、脱退組合は3組合です。
<加盟組合>
 1.全国一般法会労ゾンデルホフ分会  2名   大手町・丸の内B
<脱退組合>
 1.出版労連人文社労組           6名 神田・神保町B 組織変更
 2.JMIUエヌ・シー・アール支部池袋分会 7名 神田・神保町B 移転
 3.日経BP社労組             260名 麹町B     移転
 現在(05年8月末)の組織は82組合9、163名です。

A未加盟組合の加盟促進
 今日の情勢のもとで、区労協が真に区内の労働組合のセンターとして、よりいっそうの役割を発揮するためには、
 区労協組織の拡大強化が不可欠な重要課題として日常的に追求しなければなりません。
 そのため、「組織部」の機能を充実させて、各ブロックとも協同して抜本的な検討と対策を講ずることとします。
 また、区労協の運動をひろく未加盟組合にも宣伝し、たえず共同行動への参加を呼びかけ、
 こんにちの情勢のもとでますます地域共闘が重要になっている点についての理解を深めてもらうよう努力します。
 さらに決定的に重要なのは、各産業別地域組織の援助・協力であり、未加盟の単組、支部、
 分会を多くもつところについては特別のオルグ要請も計画して取り組みます。 
 春闘共闘加盟のオルグも積極的に行います。
B未組織の組織化
 未組織の仲間のたたかいを支援し、その組織化をすすめる事業は、
 労働戦線の統一をめざす基本的課題のひとつです。
 区労協は、組織部に関係産業別組織代表および加盟組合活動家の参加を求めて、系統的な宣伝、
 ホームページの活用、オルグ活動、組織化の指導、援助を強めていきます。

(2)組織の強化

@常任幹事会の執行体制の強化
 区労協の果たすべき役割の重さが増すにともなって、執行機関である常任幹事会の団の強化と指導性の発揮がいっそう求められます。
 このことを自覚して、常任幹事の結集を強めるとともに、三役会議および事務局会議の充実、各ブロック、
 専門部の責任体制を明確にした幹事会運営につとめます。
A他団体との連携
 区内民主団体、住民団体、東京地評や中央区労協との連携をはかります。
 また、弁護団との情報交換、連携強化のための懇談会開催も進めていきます.
B財政の確立
 区労協の組織状況は、ここ数年、企業移転による脱退などで大変きびしいしいものがあります。
 財政確立のためにも、新規加盟組合の促進を追求します。
 また、労金振り込み制による会費の当月納入が全組合に定着するように努力します。

(3)ブロック体制の強化

 区労協の運動を大衆的に発展させるために、重心を下におろし、日常的に行き来できるブロックの規模で
 交流や相互支援をおこなえるような体制をつくることが重要です。
 このために、全ブロックが幹事会体制をいっそう強化するするとともに、ブロック会議を定例化するなど、
 活動の継続性をさらに強めていく必要があります。ブロック会議は神田・神保町ブロック6回、
 麹町ブロック5回の会議を開催しました。
 日比谷ブロック、大手町・丸の内ブロックでは1回も開催できませんでした。
 神田・神保町ブロックでの会議の参加状況は、常幹中心になっており、
 麹町ブロックでは昨年より減少してきています。
 全ブロックで会議を開催することや、ひとつでも多くの組合が参加できるように会議の連絡体制を強化、
 オルグ活動を強化するなど会議への結集を強めていく必要があります。
 今年度もこうした課題を実現させ、活動を発展させるために
 1)常任幹事を中心にブロック三役体制を確立します。
 2)ブロック会議のオルグ活動を強化します。 
 3)ブロック会議を開催し、年間方針および春闘方針を策定し行動します。
 4)ブロック活動を身近に感じる運動づくりからも、ブロックニュースを発行します。 
 5)ブロックの幹事の合同会議を適宜開催し、運動の交流をはかります。

(4)専門部体制の強化

★組織部★
 この1年間、未組織の駅頭宣伝行動を神田駅で行いました。千代田総行動の朝ビラで未組織への宣伝を行いました。加盟促進でオルグを行い1組合が新たに加盟しました。
 今期は次の方針で取り組みます。
 [未加盟組合対策]
 @ブロック総会、春闘討論集会など機会をとらえてオルグ活動をおこない、未加盟組合の参加を要請する。
 A各ブロックごとに春闘前までにリストを作成し、加盟促進行動を計画する。
 B各単産との連携を密にして交流をはかる。
 C区労協主催の未加盟組合懇談会を年1回開催する。
 [未組織対策]
 @各単産との連携で今期の重点未組織労働者のリストを作成します。
 A区労協独自のビラ配布行動(総行動時)、各単産との共同で未組織ビラ配布行動をおこないます。
 B組織問題についての学習会を開催する。 

★教宣部★
 機関紙を10回発行しました。年末一時金と春闘での要求・回答情報を発行しました。総行動のビラ、
 消費税増税反対のビラ、69行動のビラ、平和集会の宣伝ビラなどについての教宣部としての役割を果たしました。
 今期は次の方針を掲げてとりくみます。
 @機関紙を毎月発行します。とくに憲法問題関係のニュースを充実させます。
 Aホームページの内容を充実させていきます。
 B部会を開き、とりくみを強めます。

★政治共闘部★
 政治共闘部としての会議はもちませんでしたが、「平和と民主主義を推進する千代田の会」に参加してきました。
 今期は憲法改悪阻止の運動を中心に平和集会や教育基本法を守るたたかいを強めていきます。

★争議対策部★
千代田争議団への参加、各支援共闘会議に参加をしてとりくみをすすめました。
 部会は開くことができませんでした。今期は次の方針を掲げてとりくみます。
 @すべての争議のたたかいを区労協あげて支援できるよう体制をつくります。
 A千代田争議団との連携を強めます。
 B争議状況を知ってもらうために、区労協機関紙の活用を図るとともに、
  各争議団とも連携してとりくみをすすめます。
 C千代田争議団の物販・カンパ活動の支援をいっそう強めます。

★文化部★
 千代田文化実行員会や文化団体の協力を得ながら演劇など職場に広げるとりくみをおこないました。
 しかし、部会は開きませんでした。
 今期も写真展を開催します。また、部会を開き、とりくみの具体化をすすめます。

(5)共闘と連帯

 1)区労協長年にわたる戦闘的伝統を地域の運動に生かしていくために、要求の実現に向けて、
  要求が一致するあらゆる労働組合や市民団体との共闘、統一行動を積極果敢にすすめます。
 2)国民生活を守り抜くとともに、民主主義の擁護と日本の平和、安全をかちとるために、
  広範な民主勢力を結集した巨大な戦線をつくりあげ、政治の革新をめざしていきます。
  運動を進めるに当たっては、討論の機会を持つなどして加盟組合の自主性を尊重します。
 3)区内の民主勢力との共闘をすすめるにあたっては、一定の自己規律と秩序を維持し、
  いわゆる暴力集団とは共闘しない方針で臨みます。

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